「回復」への道とは?

どうすればいいのか?

依存症者としての自分自身を振り返っていくこと。
支援には、誰でも回復できるという確信をもつこと、そのためにもたくさんのリカバリーに向かう依存症者と出会うこと、回復が当事者の責任なら、支援者や専門職の責任は、回復のために何をしたらいいのか分からない人に自助グループがあることを伝えること、退院後や出所後、地域での生活に移行していくための生活保護の受給や住宅の確保や障害福祉制度の支援を届けて、回復に必要なレールを敷くなどの責任があります。
依存症者の回復は、レールとその上を歩く人のやる気などいろんなものが織り交ざって見えてくるもので、医療者には医療者しか提供できないものがあり、福祉職には福祉職にしか提供できないものがあります。再飲酒や再使用の責任について、依存症本人のみ負わせることではないのでしょう。
自助グループのミーティングや仲間の存在は、アルコールや薬物をやめるためだけではなく、自分一人では受け入れられなかった自分自身を受け入れるために必要です。依存症からのリカバリーには、単に酒を飲まなくなることや薬を使わないだけではなく、アルコールや薬物を必要とした生き方から、必要としない生き方へと変わっていく必要があると思います。

生活習慣を変える

依存症は、生活を壊していく病気です。コントロール障害を中核症状として、体や心に
影響を与えながら、大切な家族や友人、仕事や信頼関係等を失っていきます。悪循環が固定化し、昼夜逆転の生活にもなり、お風呂も入らなかったり、歯も磨くこともできなくなり、
人間らしい生活ができなくなり、死に至る病気です。
 まずは、自助グループに足を運ぶことを含む、飲まない使わない1日1日を送るとい
う、生活習慣を身につけ四季を送ります。もう1年をかけてさらに土台固めし、その上で
できることやりたいことに挑戦していきます。
生活のニーズには、経済的に安定していること、家庭が安定していること、健康であること、
適切な教育を受けていること、自分らしく生きていること表現していること、余暇への満足
が得られているということ、これらのすべてが満たされていることが必要です。実現に向け
て自彊不息の精神で切磋琢磨し、楽しく、努力していきます。

飲まない仲間・人間関係ができる アディクションからコネクションへ

依存症が進行していくと、それと自分だけの生活となり、孤独の病気になります。
回復とはその逆の、新たな人間関係をつくっていくこととなります。

自分のペースで自信をとりもどす! エンパワメント

「生活の仕方がうまくいかない」「人づきあいがうまくいかない」「就労に結びつかない」「生
活経過が不安定」「生きがいがみつからない」と感じてきた人も少なくありません。様々
な社会問題を背景として、劣等感を植え付けられてきた経験も少なくありません。
そんなコンプレクスを払拭していくことも大切な回復の課題です。

新たな生き方の発見 リカバリー

依存症が進行していくと、「自己感覚の喪失(自分が空っぽに感じて考えられなくなる)」「社会との結びつきの喪失」「本来持っている力の喪失」「役割の喪失」を経験します。
これらを取り戻していくことが、リカバリー(=「回復」)です。
絶望的な状況から希望を見出すことであり、否認を打ち破り、受け入れること、人生への積極的な参加ができるようになること、肯定的な自己感覚を取り戻す、人生の意味と目的の感覚を取り戻す、複雑で非直線的な過程である、一人で果たせるものではなく、支援とパートナーシップを必要とするものです。

回復を応援し受け入れる社会をつくる インクルーシブ

私達は、回復を応援し受け入れる社会づくりを推し進めます。
依存症は、人々の生活の苦しさの中に棲みつき始めます。生活問題は家族生活に表れていきます。人々の生活と人権が守られていく社会づくりを推し進めていく必要があります。   
また、依存症は生活全体を覆い尽くしていく病気です。できるだけ早い段階で治療や支援につながるネットワークづくりが必要です。多機関多職種の人たちが地域の中でつながるしくみを各地でつくりましょう。依存症は時代全体の問題でもあり、社会が問われています。

子育て、学校、職場、医療や福祉関係等の援助職の人達が気づき連携する

医療や教育・保育・福祉関係等の援助職にある人達が早く気づくことが大切です。病気に対する理解や対応について学び合いましょう。そして地域サポートネットワークをつくっていきましょう。

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